基本
- オプション(Option) = 何かを選択する権利(がある)
- オプション取引 = 「何かを選択する権利」を売買する = 権利の売買
- 使いたいなら使える
- 使いたくなければ放棄すればよいだけ
先物1

先物2

オプション1

オプション2

オプション取引とは
オプション取引とは、将来の決められた日(または、期間)で、予め決められた値段で、売るまたは買う権利を売買する取引です。
先物取引と比較して考えてみましょう。
- 先物取引の場合

- オプション取引

オプション取引に関連した用語
オプション取引では、権利を使う/使わないは、買った人の意思次第となります。 通常は、利益が得られる場合に限り、権利が使われます。
予め決められた価格での、権利を使うことを権利行使といいます。 権利を使わないことを権利放棄といいます。 また、予め決められた価格(ここでは8000円)を権利行使価格と呼びます。
権利を使うことで、利益が得られる状態にあることをインザマネー(In the money)と呼びます。 権利を使っても利益が得られない(損をしてしまう)状態にあることをアウトオブザマネー(Out of the money)と呼びます。 権利を使っても利益がゼロ円となる状態をアットザマネー(At the money)と呼びます。
上記図の例では、せっかく取引に応じた左側の銀行が、なんだか可哀そうに思えるかもしれませんが… 左側の銀行にとっては、実は上記図は望ましい状態となります。 何故か。。。
権利行使または権利放棄の対象となる商品(ことではトヨタ株)をオプションの原資産(Underlying)と呼びます。
オプションの権利行使、または権利放棄が行える最終日を行使期限日と呼びます。
オプションの行使期限日の1日だけ、権利行使または権利放棄が行えるタイプをヨーロピアンオプションと呼びます。 それに対して、オプションの更新期限日までの間、いつでも権利行使が可能なタイプをアメリカンオプションと呼びます。
オプションの価値曲線
3ヶ月後のトヨタの株を8000円で買う権利(オプション)を買った場合について、その損益を考えてみましょう。
通常の取引や先物取引と違い、オプションの損益は、権利を行使する(または放棄する)時点での原資産の価格によって損益額が変わってきます。
3ヶ月後 原資産の価格 | 7500円 | 8000円 | 8500円 |
---|---|---|---|
判定基準 | 7500円―8000円>0 権利放棄 | 8000円―8000円=0 権利放棄 or 権利行使 | 8500円―8000円>0 権利行使 |
損益 | 500円 | 0円 | 500円 |

上記下図の直線が、8000円でトヨタの株を買う権利(オプション)の(権利行使期限日時点での)価値曲線となります。
対象となる商品(原資産)を売る権利のことをプットオプションと呼びます。 それに対して、買う権利のことをコールオプションと呼びます。 すなわち、上記下図は、プットオプションの価値曲線となります。
プレミアムを考慮した価値曲線
最初に見たとおり、オプションを買う側は、売る側に対して、権利の代価を支払うことになります。 この代価をオプションのプレミアムと呼びます。 本例では、オプションを買う際に、プレミアムとして321円支払っています。 その分を考慮すると、価値曲線は次の通りに変更されます。

様々なオプションの価値曲線
上記の価値曲線は、プレミアム考慮した、コールオプションを買った場合の価値曲線の例となります。 では、コールオプションを売った場合の価値曲線は、どうなるでしょうか? 同じ原資産の価格で、ちょうど損益が逆になる形となります。
同様に、プットオプションを売った場合、買った場合の価値曲線は、次の通りとなります。 (以下の例では、行使価格8000円のプットオプションとして記載しています。)
本源的価値と時間的価値
プレミアムを考慮しない場合のプットオプションの価値曲線は、既に見た通り、権利行使価格を境に、右方向にだけ上昇する直線として表せます。 ただし、それはオプションの権利行使/権利放棄が確定した、行使期限日で最終損益を表しているだけとなります。では、行使期限日以前の権利行使/権利放棄が確定する前の状態では、どのような価値曲線となるでしょうか。詳しい計算を省きますが、おおむね下図の赤の曲線のような形となります。
権利行使価格8000円のプットオプションの場合、原資産価格が7500円であった場合、仮にその時点で権利行使したとしても、500円の儲け(8000円-7500円)しか得られません。 ただ、まだ更新期限日前なので、今後さらに原資産価格が安くなる(さらに儲けが大きくなる)可能性もあります。この、まだ時間的に猶予がある場合の将来的な期待分の価値が、オプションの価格に付加されます。この将来的な期待分の価値を時間的価値と呼びます。 それに対して、現時点で仮に権利行使または権利放棄した場合の価値分を本源的価値と呼びます。
まとめると、オプションの価格(=プレミアム)は、次の式で表せます。